ピリッと辛子の効いた
甘くないビートの効いた男くさいロック
「めんたいロック」は60年代のブリティッシュインベンションの頃のビートの影響を強く受けている。
よく昔から博多(福岡市)はビートルズ、エルヴィス・コステロ、エコー&バニーメン、バッドフィンガーなどが生まれた都市リバプールに例えられ、北九州市はニュー・オーダー、ザ・スミス、ザ・ストーン・ローゼズ、オアシスといったバンドが生れた都市マンチェスターと例えられた。
大きな目で見ると同じ「福岡県」ではあるが「福岡市」と「北九州市」は全く異なったカラーをもった都市である。関東で言えば「横浜市」と「川崎市」の様に都市の持つイメージや特質、経済を支える産業は全く違う。福岡市は横浜市に当たり商業でにぎわう都市、北九州市は川崎市に当たり工業地帯として栄えブルーカラー(労働者)の街である。
この二つの都市の背景は其々の街で生れた「音」や「スタイル」に影響を与えている。
何をもって「めんたいロック」というか。
福岡県内では物議を醸す。
1970から1980年代初頭にかけて福岡県で生れたロックが一般的に「めんたいロック」と言われているのだろう。1970年代に柴山俊之が福岡で鮎川誠らと結成したサンハウスが「めんたいロック」の源流であると多くの人が考えている。
1975年にサンハウスはメジャーデビューし、その後続々と福岡のロックバンドがメジャーデビューを果たした。(シーナ&ザロケッツ(1978デビュー)、ARB(1978年デビュー)、ロッカーズ(1980年デビュー)、ルースターズ(1980年デビュー)、THE MODS(1981年デビュー))。
「めんたいロック」という言葉はルースターズデビューの頃に生れた言葉だという説が強い。その為、どのバンドを「めんたいロックバンド」というかは議論になる事もある。
しかし、全国的には「福岡のロック」の総称として「めんたいロック」と呼ぶ人も少なくない。
Dobb